重版出来!8話「出版取次」って何?本屋さんの運命は?調べてみた

重版出来!

重版出来!8話で、街の本屋さんが登場するようです。昔ながらの「本屋」さんは、どうやら全滅する運命にあるようです。本屋さんの経営には欠かせない「出版取次」という存在とその意味、出版業界とその販売状況を調べてみました。

 

重版出来!8話に登場する本屋さんは出版取次の「委託販売」で存続できた

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管理人の私も調べるまで分かりませんでしたが、小売店の本屋さんは、出版会社から直接、本を仕入れるのではないのですね。出版会社と出版取次の「委託販売」が、本屋さんを存続させてきたのです。

本屋さん(小売り)と本を作っている出版会社の間に存在するのが「出版取次」という中間業者です。ウィッキによると、現在日本にある出版取次は、約30社強で、そのうち、トーハンと日販(日本出版販売)で7割強のシェアをもっているそうです。

出版取次の出現は、明治もだいぶ後になってからで、最初のうちは出版会社や書店が取次業務を兼ねていたそうです。

次第に取引量が増え、大正時代になり、業務の拡張と共に、大取次、中取次、小取次と分化され少なくとも全盛期には300以上の取次業者が存在しました。

最初のうちは「買い取り」が主流でしたが、1900年代初めに実業之日本社が委託販売制を導入して、成果を収めたのを機に他社もこれに従って、雑誌の返品制度が普及したといいます。

そして、この「委託販売」というシステムが、これまで長く本屋さんの存在を可能にしてきたシステムだったのです。

「委託販売」とは、出版会社や出版取次が、売れ残りの在庫を買い戻す制度と理解すると分かり易いと思います。実際は、会計上少し複雑なようですが、要点を説明すると小売り業者にリスクが少なくなり、出版社や出版取次には経理上のメリットがあります。

このような背景から、長らく親しまれてきた本屋さんでしたが、80年代から減少に転じて、現在では、法人個人を合わせて5万以上もあった書店は激減の一途で、毎年1000店舗も本屋が閉鎖に追い込まれているといわれています。

重版出来!8話で、編集長の和田靖樹がお馴染みの本屋に顔を出すようですが、「客がいる限り(店は)閉めねえ」と啖呵を切るようですが、残念ながら近い将来は、小さな本屋さんは姿を消す運命にあると言えるでしょう。

引用元:ウィッキ「出版取次

 

重版出来!8話に登場する本屋さんは絶滅の運命?

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時は平成28年、すでに「昭和」の時代が霞んできましたね。1980年代にアメリカで登場した「巨大モール」の出現によって、日本でも「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律」、通称「大店法」が施行され、大型のショッピングセンターやショッピングモールが次々と登場しました。

田舎町や田舎村に、突然巨大なショッピングセンターがオープンしたことを覚えている方も多いでしょう。あるいは、生まれた時からすでにあったという方もいらっしゃるでしょう。

日本では、この大店法の施行(2000年)あたりから、急速に「屋」が付くお店が続々と閉店に追い込まれていきました。

魚屋」、「八百屋」、「果物屋」、「洋服屋」、勿論、その中には「本屋」もありますよね。

車社会になり、集客が覚束なくなった町の本屋さんは、絶滅危惧種に入るでしょう。すでに、「本を買う」本屋が町には無くなっており、雑誌や本はコンビニのコーナーで買うようになっています。

あるいは、探し物の本がある場合は、ネットで調べて注文して、コンビニで受け取る方法もありますが、そうでない場合は、ショッピングモールにある巨大な小売店に足を運ぶことになります。

町の小さな本屋さんで、生き残れる可能性があるのは、近所に大きな大学とかがあり、その学生さんたちが徒歩で来れるような場合に限られるのではないでしょうか。

このように、町の本屋さんが、続々と消えていくとなると、出版取次の業務も少なくなるので、何等かの転換を与儀なくされる日も近いと思われます。

 

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