重版出来!アオリとはどんな意味?業界専門の言葉?調べてみた

重版出来!

重版出来!第3話では、ヒロイン黒沢心(黒木華)がアオリの仕事で苦戦します。アオリっていったいどういう意味なのでしょう。業界専門用語なのでしょうか?調べてみました。

 

重版出来!に出てくる「アオリ」とはどんな意味?

重版出来第3話に登場する「アオリ」の作業で、ヒロイン黒沢心が苦戦し、副編集長の五百旗頭(オダギリジョー)にNGを喰らってしまいます。

では、黒沢心がNGを喰らったアオリとは、どんな意味でどんな作業をしていたのでしょう?

アオリ」とは、元々の言葉は「煽る」のことで、意味は「焚き付ける」とか「強風などで激しく揺さぶられる」という意味があります。簡単で分かり易い例で言いますと、「噂を煽る」なんて使い方をしますね。

漫画用語をしての「アオリ」とは、「下から見上げるアングル」という定義もあります。ちょうど、カメラワークでいうと、下からアップで見上げるアングルのことです。

しかし、重版出来!第3話に出てくる「アオリ」と言った場合、業界用語で、この場合は、原稿の巻頭や巻末に、そのドラマを盛り上がらせるため、つまり「煽る」ため、編集者が入れるものを指す言葉になります。

「○○が修羅場を迎える!」とか「○○に起こった劇的な変化!!」とか、タイトルやテーマに関わらず、場面を強調して、読者により関心をもってもらえるように付け加えるものです。そして、このアオリは、単行本の発行の時には外されてしまうのが、慣例となっています。

どうして、単行本発行の時に「アオリ」が外されてしまうのかは定かではありませんが、恐らく、それはオリジナルの原稿ではなく、編集者が付け加えたものだからだと推測されます。

つまり、連載で人気が出たことにより単行本の発行となることを考えると、すでに売れて人気本となっているものですから、編集者による「煽り」が必要なくなった、と考えることができると思います。

ですから、単行本の発行では、すでに「煽る」必要な無いので、元に戻してオリジナルだけの原稿で発行する、ということなのでしょう。

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重版出来!「アオリ」はどこで勉強するの?入れる意味はあるの?

重版出来!第3話で、新人編集者黒沢心はアオリのNGを喰らうわけですが、どこで勉強するのでしょう?実は、このアオリ、特別な形式など存在せず、表現はまったく自由で、ひな型はありません。

アオリとは、場面などを強調する「文字による演出」ですが、文字だけに限らず、記号が入ったり、何でもありなんですね。一般的にいうと、特別な教科書など存在せず、強いて言えば、すでに掲載されている雑誌や漫画本が教科書と言えるでしょう。

後はもう、編集者の感性、センスの問題ですから、これはもう個人で技と腕を磨くしか方法はないようですね。100ものアオリを五百旗頭副編集長に却下された黒沢心の心境が伝わってきそうです。(笑)

先輩の壬生平太がいうように、漫画家と編集員がタッグを組んで、気持ちを一つにしてアオリを創作していくのがベストのようです。

アオリを入れる本来の意味は、その漫画に対し、読者により関心を持ってもらうことですから、「形」より「効果」が求められるわけです。

その意味においては、まったく自由に創作できるという点は想像力と創作力がものをいうのかも知れません。

基本的には、アオリは巻頭、巻末の余白部分に入れるのが一般的解釈ですが、なんか最近の実例を見ていると、必ずしも余白ということもなく、結構、場面のコマに入り込んでいるアオリを見る機会も多くなっているようです。

今回は、文字的演出効果を狙った「アオリ」についてでした。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

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