下町ロケットがいよいよ最終回に近づいていますが、キャスト財前道生再登場します。「敵方」帝国重工の宇宙航空部部長という立場で、主人公佃航平と対峙しますが、吉川晃司が演じる財前道生の人気が再登場に表れています。

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下町ロケットキャスト 財前道夫に見る男気と人気

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下町ロケットが、秋ドラマで唯一20%の視聴率を超え、他の番組と比べ、群を抜いています。すでに、何度も評価されている、原作、監督、演出、キャストと数多くある「成功と人気」の秘密ですが、その一つに「勧善懲悪」の面白さも指摘されます。

つまり、中小企業の佃製作所が、巨大企業の帝国重工と渡り合い、「正々堂」と、部品供給という、自分たちの「夢と理想」を勝ち取るのです。その構図は非常に分かり易く、特に前半での富山敬治による工作など、理不尽な闘いを退ける痛快さがありましたね。

その中にあって、敵方の帝国重工の財前道夫の「良い物は良い」とする、正しい価値観と判断力が視聴者に好感をもたらせてくれたのではないでしょうか。

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この流れは後半の「ガウディ計画」でも、引き継がれ、エスカレートしていきます。突然現れ、佃製作所のライバルとなる、サヤマ製作所の椎名直之や、日本クラインなど「目的のためには手段を選ばず」という、「勝てば官軍」という意識が底辺に流れています。

そして、そこには正反対の日本文化「正々堂々」があり「勧善懲悪」の精神が見てとれます。若い方たちが、どんな歴史を習ったか分かりませんが、年配の方になると、先の大戦はある意味で「日本が嵌められた」というのは周知の事実であります。

管理人が考える「下町ロケット」が多くに日本人の共鳴を呼ぶのは、やはりここに日本民族のアイデンティティーである「正義にたいする美意識」が横たわっていると思うのです。

 

下町ロケットキャスト 財前道生の人気での秘密と受ける訳

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財前道生キャスト吉川晃司が抜擢され、大人気です。私も吉川さんのファンになりましたが、佃航平役の阿部寛と、堂々と渡り合えるのは吉川さんしか居なかったでしょう。

よく言われるのは、身長が189cmと背の高い阿部寛さんに負けない182cmの体格と、「中年の渋さ」の魅力です。

ストーリーにおいては、敵方の帝国重工にありながら、佃航平の人間味を理解し、そして「深い情け」で結び付くことが、視聴者の共感を生む下地になっていることは明らかですね。

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佃製作所を動かすものは金ではない」と、水原本部長(木下ほうか)に説明するシーンは、多くの視聴者がテレビの前で深く頷いていたのではないでしょうか。

長い間、「お金は手段であって目的ではない」というのは、日本の常識でした。しかし、90年代までのバブルの形成と崩壊、そして「失われた15年」、低成長期を経て、「金余り」「物余り」「ネット社会による構造変換」など、経済環境と社会環境がすっかり変わってしまいました。

「お金」が目的化した社会の出現で、すっかり「人間味が薄れた」社会の出現に、無意識の不安が広がっているとも言えるでしょう。そして、その不安が消えることはまず見込めないのが、現在のシステムです。

法律も行政も警察も、人間の規範とはならないからです。人間は「規則を破る者」がおり、「罪を犯す者」がいるのです。或は「法律を犯さなければ何をやっても良い」「企業は利益を追求することが使命」とばかりに手段を選ばずという者が出てきてしまいます。

特に社会構造の上位にいけばいくほど、その傾向は顕著になってきます。中小企業の佃製作所が「心地よい」と感じる視聴者は圧倒的に多いと思われます。

原作の池井戸さんは言ってはおられないと思いますが、底辺に現代社会の歪みについて警鐘を鳴らしているとも思うのです。財前道生が大人気なのは、そんな隠された問題に毅然とした態度で、正義感のある倫理の元に行動してくれるからでしょう。

残りの9話と最終回まで、まだまだ財前道生が、視聴者に喝采を浴びるシーンが残っています。忸怩たる思いで暮らしている人は「喝采」を財前に贈るでしょう。そして、社会の上位にいる方にとっては「襟を正す」機会となって欲しいと思います。あっぱれ「財前道生」、そして「下町ロケット」ですね。名残惜しいですが、ドラマはあと二回です。

 

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