夏目漱石の妻、夏目鏡子と漱石の夫婦の絆を綴った随筆は、漱石の誕生の時代背景や生涯における結婚生活、人間関係などを著わしています。ドラマ「夏目漱石の妻」のキャスト一覧をまとめてみました。夏目漱石の誕生の時代背景や当時の人間関係などについてもまとめてみます。
夏目漱石の妻キャスト一覧まとめ
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夏目[中根]鏡子(なつめ きょうこ)役 尾野真千子
夏目鏡子は、明治10年7月21日生まれの中根家の長女として生まれました。父・重一から大切に育てられ、帝大出の夏目漱石(金之助)と19歳で見合い結婚をします。自由奔放に育ち、社交的で明るく、占いが趣味でした。
夏目金之助[漱石](なつめ きんのすけ)役 長谷川博己
夏目漱石は、慶応3年(1867年)2月9日生まれの夏目家(父直克、母千枝)の五男として生まれました。祖父が道楽者で散財した後、父直克の働きで相当な資産家となりました。経済的には恵まれていましたが、恥かきッ子として不遇な幼少期を送ります。帝大卒で教師になった知性派。幼少の頃養子に出され、親の愛情が薄く育った過去があります。気難しい性格の持ち主となったのは、そのせいもあったのでしょう。
中根倫 役 中島広稀 夏目鏡子の兄弟
中根時子 役 秋月三佳 夏目鏡子の姉妹
中根梅子 役 田辺桃子 夏目鏡子の姉妹
山田房子(やまだ ふさこ)役 黒島結菜
中根鏡子の従妹(いとこ)。気持ちが優しくて素直な娘です。女学校を卒業後、夏目夫婦の家で花嫁修業を兼ねて家事手伝いに来る。
正岡子規 役 加藤虎ノ介
正岡律 役 大後寿々花
荒井伴男(あらい ともお)役 満島真之介
足尾銅山で坑夫をしていたが、夏目金之助の小説を読んで、漱石の門下生となる。
塩原昌之助(しおばら まさのすけ)役 竹中直人
夏目直克(金之助の父)が見込んだ男で、塩原と奉公人のやすを結婚させ金之助を養子にした。しかし、これがとんだ見込み違いで昌之助の浮気が発覚し、金之助は7歳で養母と共に実家に戻っています。
結局、昌之助とやすは離婚して、金之助は実家に戻ることになりますが、実父直克と養父昌之助の間で、折り合いがつかずに金之助の夏目家への復籍は21歳まで待たねばなりませんでした。この養父には、漱石も金をせびられるなど被り、小説「道草」のネタになったとされています。
中根重一(なかね しげかず)役 舘ひろし
夏目鏡子の父で、貴族院書記官長を務めるエリート官僚。鏡子の結婚後、政権交代の影響を受け、官職を辞すことに。しかし、どっしり構えた人で、環境の変化に対しても、同様することなく落ち着いて対処した明治男でした。
投資失敗から借金を重ね、保証人となって欲しいと義理の息子を訪ねますが、実の娘、鏡子に強固に反対され、叶いませんでした。
尼子四郎 役 田中要次
夏目直克 役 本田博太郎
夏目金之助(漱石)の実父。金之助は直克が50歳の時の子。金之助が生まれた新宿の「喜久井町」を命名した人物で、江戸時代からの名主。
夏目直矩 役 津田寛治
直克の息子で金之助(5男)の兄。父直克がもうけた子供は5男1女であり、金之助は「恥かきっ子」と言われた如く、兄弟と年の差があった。
榎本好次 役 梶原善 塩原昌之助の代言人。
小宮豊隆 役 柄本時生 夏目漱石の門下生で書生。
池辺三山 役 赤星昇一郎
東京朝日新聞の主筆で、夏目漱石を朝日新聞にスカウトした。
夏目漱石誕生の時代背景や人間関係
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夏目漱石が誕生したのは、慶応3年といいますから、1867年になります。慶応の年号は1865年から1868年までの四年間で、漱石誕生の翌年には、慶応から明治に元号が変わっています。つまり、夏目漱石が誕生した背景とは、まさに「明治維新」の最中にあったのです。
漱石は、父直克、母千枝の5番目の子として生まれましたが、両親は子沢山のうえ、高齢だったこともあり、「できちゃった子」として恥じかきっ子として育ったようです。
漱石の名前は「金之助」とつけられましたが、昔の言い伝え(迷信)から「金」の字を入れることで厄除けになると考えられ「金之助」になったとされています。
夏目家は、祖父が道楽者で浪費家だったので、財産も食い潰すほどでしたが、父直克の働きぶりで財産を蓄え、生活に困ることはなかったはずです。
しかし、経済力に問題もない夏目家から、幼少の金之助は、生まれてすぐに四谷の古道具屋に里子に出されてしまいます。金之助の様子を見た姉が可哀そうに思い、実家に連れ戻されますが、今度はすぐに塩原昌之助に引き取られていきます。
前述したように、この養父となった塩原昌之助の女癖の悪さなどもあり、養父母の離婚などもあり、金之助は夏目家に籍を戻しています。
このように、神経が細かく繊細な性格は、夏目漱石の複雑な人間関係による幼児期の体験が影響していると思われます。後に英国留学を経て神経衰弱を患うようですが、一部で指摘されるように衰弱というより妄想に侵されたりしていたのではないでしょうか。いずれにしても、神経過敏症には違いないでしょう。
夏目漱石が大成することができたのは、妻の鏡子の存在が無ければ有り得なかったことには、異論を挟む方は少ないでしょう。複雑な人間関係と時代背景を伴い、苦難もありましたが、奇才夏目漱石はこうして誕生したのです。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
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