下町ロケットキャスト 椎名の父(吉田類)も町工場の経営者

下町ロケット
ガウディ計画

下町ロケットが昨日、最終回を迎え、視聴率も22%を超えて、しっかりした最後を飾りました。最後を飾ると言えば、急きょ出演が決まった椎名直之社長の親役のキャストとなった吉田類も、決まった演技で「親」らしさを出してくれました。

 

吉田類の「椎名直久」のキャストも名キャスト

小泉孝太郎演じる「悪党」椎名直之ですが、誰にも父親があるように、椎名にも「親父」がいたのです。椎名の父は、佃製航平同様、小さな町工場の経営者で、どこでも同じように資金繰りに苦しみ、体調の悪さも言い訳にせず営業に歩き、最後はそれが元で体調を崩しあの世へ行ってしまいました。

 

その後、直之が味わったのは、銀行による資金回収や特許などの資産売却など、父親が会社を大きくして息子の直之に継いでもらうという夢も破壊されてしまったのです。

椎名直之が、亡くなった父親を回想するシーンでは、吉田類演じる椎名直久が、息子を前にして、「トップクラスなどとほざくな。目指すならトップになれ」と説教する姿には、本当の父親らしい愛情のある檄でしたね。

そして、あの「悪党」が似合う小泉孝太郎も、父親を前にして「いい息子」を演じていました。相当「悪」のイメージが付いてしまっていた小泉孝太郎が、あのシーンだけは、素直ないい倅としてイメージに残っています。

 

元々、日本人は基教のように「性悪説」は苦手と感じる人が多く、「性善説」の方がしっくりいくのでしょうか、管理人は、あの小泉孝太郎の姿こそが本来の姿だと思いたいですね。

吉田類の登場する時間は短ったけれども、椎名の父親としての存在感は十二分に出ており、いつもの「酒場を徘徊する」類さんの普段の姿で演技なされていたように思います。

 

下町ロケットラストシーンに救われた椎名直之

一度はお巡査さんのお世話になる椎名直之ですが、最後のシーンで救われましたね。罪の償いを終えた後なのでしょう。3年後の種子島でのロケット打ち上げシーンに再登場する椎名直之は、それまでの高価なスーツは纏っていませんでした。

工場で普通の社員が着るような作業着を纏い、頭の毛はボサボサ、そして顔には何日も剃っていないと思われる髭ぼうぼう。しかし、手にはしっかりと精度の高い新型バルブを持っていました。

佃航平という男の度量の大きさ、包容力の深さを最後まで見せてくれることになりました。佃航平対財前道生、航平対山崎光彦、航平対殿村直之、どの関係を見ても航平の「人間としての魅力」が溢れています。

 

そして、最後に対峙した椎名直之は、まさに佃航平によって救われた気がします。人間はやはり、隠し事をせず、正々堂々としているだけで、「敗者」にならずに済むのではないでしょうか。

他人を蹴落として這い上がったり、結果が全て、というプロセスを問わない結果主義の中に成功はあったとしても、それがどれほど虚しいことなのか、改めて下町ロケットが語ってくれたような気がします。

阿部寛を始め、キャストの皆さん、下町ロケットの製作スタッフの皆さん、大変お疲れさまでした。最高なドラマを観させていただきました。心より感謝申し上げます。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。メリー・クリスマスハッピー・ニュー・イヤー!良きお年をお迎えください。

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