菅野美穂主演のドラマ「砂の塔」の9話視聴率が最終回を前に爆発したかも知れませんね。すでにご承知の通り、ヒロインの高野亜紀のキャストに菅野美穂、ミステリアスな隣人・佐々木弓子役に松嶋菜々子、亜紀の亭主にココリコ田中直樹、EXILEの岩田剛典など、そして子役では息子の和樹を佐野勇人、娘のそらには稲垣くるみと、そうそうたる豪華キャストで視聴率も最終回を前にしてやっと爆発したかも知れません。
菅野美穂のドラマ「砂の塔」の視聴率が出だしで躓いた理由
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ドラマ「砂の塔」は、鳴り物入りで、放送前から番組宣伝にかなり力を入れていたTBSですが、菅野美穂が4年ぶりの主演ドラマ出演と話題となり、準主役に松嶋菜々子がヒール役(悪役)となるなど、かなりの期待感でスタートしました。
ところが、蓋を開けてみると、初回の第1話の視聴率が9.8%とよもやの二桁逃し、続く2話も9.6%と視聴率は出だしで完全に砕かれました。どうやらこれには伏線があって、番組予告から「ママ友いじめ」が不評だったようです。
ドラマ「砂の塔」は、ミステリーサスペンスという「題目」で、謎の連続幼児誘拐事件と、タワーマンションで起こるミステリアスな出来事がサスペンスという要素で期待感を持たせました。
ところが、始まったドラマでは誘拐事件は攫われた子供の現場の映しだけで、3話になってもほとんど取り上げられることはありませんでした。
むしろ第1話から強調されていたのは、横山めぐみがキャストを演じるボスママ、阿相寛子による「ママ友いじめ」シーンばかりが目立ったのです。
つまり、この「いじめ」というテーマが視聴者の嫌悪感を買ったようです。番組予告を見て、いじめシーンですでに離れた視聴者もいたのではないでしょうか。
事実、管理人も2話の途中からリタイヤを考えました。そして、3話ではいよいよ「ダメ出し」を出す直前、最後に「第一章終幕」と出てので、???ひょっとすると流れが変わるか、と思い直したわけです。
第3話から、佐々木弓子と高野和樹の人間関係にテーマが移ったことで、視聴率は改善されました。この辺はオリジナル脚本の強みともいえるでしょうね。
菅野美穂のドラマ「砂の塔」の視聴率の改善と番組予告の不正確さ
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菅野美穂の演技は、主演の高野亜紀を上手に演じていたと思います。頼りない主婦を演じる姿には、辟易するような場面もありましたが、そもそもそれは「高野亜紀」というキャラクターで、菅野美穂個人とは関係ないでしょう。
圧巻だったのは、準主役と言われた(本来はW主演??)松嶋菜々子の演技でした。松嶋がキャストとなった佐々木弓子の醸し出す恐怖感は、「恐ろしい」、「怖い」というコメントが方々で見かけられ、松嶋菜々子の評価は上出来でしたね。菅野美穂と松嶋菜々子の共演シーンは見ごたえがありました。
4話以降に視聴率が持ち直した背景には、「いじめシーンの減少」と「人間関係のサスペンスの増加」という二つの要因が考えられるでしょう。
個人的に思うことは、事前の番組宣伝が内容を正確に伝わらない場合、視聴者の期待とのズレが生じる場合があるのではないかという点です。
ご承知のように、ドラマ「砂の塔」は、亜紀の息子、和樹も中学時代の悪友たちからいじめを受けていた訳ですから、初回の「ママ友いじめ」から和樹の学校での「いじめ」まで、「いじめ」が一貫したテーマとなっていたのではないでしょうか。
そう考えると、番組案内ではほとんど「いじめ」という言葉が出てきていないことに気づくのではないでしょうか。刑事の荒又秀実が劇中で、いじめにより息子を亡くしていることが出てきますが、「いじめ」が社会問題化している現在、非常にデリケートなテーマです。
その意味からいえば、もう少し丁寧に扱って欲しかったというのが素直な感想です。テーマとするならテーマらしく、番組宣伝にも織り込むべきですし、テーマでなければ、いじめの描写はもっと少なくする方が、視聴者の嫌悪感を買わなくて済んだと思えるのです。
砂の塔9話では、佐々木弓子と和樹の関係も切れ、高野家がまとまったことで、視聴率は最終回を前に二桁を確保できたのではないでしょうか。
犯人捜しが過熱する最終回は、優勝の美を飾りたいところですね。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
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