お正月の風物詩、時代劇ドラマ「信長燃ゆ」(原作安部龍太郎)が放送されます。今回は主役の織田信長(東山紀之)を中心に織田方の人物のキャストと役どころをご紹介しましょう。原作の小説は「本能寺の変」を朝廷が絡んだ陰謀説を支持する「朝廷陰謀論」をベースにしています。
織田方のメインキャストと役どころ・見どころ
織田信長のキャストに東山紀之 役どころと見どころ
日本人が憧れる歴史上の人物と言えば必ず上位に顔を出す戦国武将の織田信長。今更、管理人が説明する間でもないことは承知しています。
管理人も他の人と変わらず、子供の頃から大好きな織田信長です。それだけではありません。信長公の生きざまは管理人の「人生設計」そのものにも影響を与えました。
信長が好んで舞った「敦盛」にある「人生50年の幻」に感化され、高校時代に単身渡米で米国の高校に留学する決意をしたことも信長の影響がありました。
さて、その織田信長のキャストに抜擢された東山紀之の生まれは昭和41年9月30日、何と織田信長がこの世を去った49歳と同じ年齢で「信長役」を務めるのです。これほど奇遇はあるでしょうか。
私は「芸能オタク」でも「追っかけジャニ」でもありませんので、若い時の東山を知りません。少年隊に居たことくらいです。
しかし、何時頃から東山を知るようになったかというと、「放浪記」で有名な女優森光子から可愛がられていた事を知った時くらいからでしょうか。そして、必殺シリーズを復活させ人気番組となった「渡辺小五郎」を見て、「いい役者になったなあ」とファンになりました。
しかし、いろいろ調べてみると、「なるほど」と合点がいきました。ヒガシは、沖田総司を皮切りに、光源氏、義経、浅野内匠頭、足利義満など、歴史上の有名人を演じてきた経歴があったのです。
そして、その出演を通して、松方弘樹を縁として、若山富三郎や萬屋錦之助などとも交友があったのです。すっごーいことですよね。日本の名俳優たちのDNAがこのようにきちんとヒガシに受け継がれていたと知ることは管理人の胸を熱くしてくれました。
萬屋錦之助さんは別格として、過去に「信長」を演じた俳優で、管理人が思うには、今まで一番信長のイメージに近かった俳優は、というと文句無しに反町隆史を選びます。「利家とまつ」で信長を演じた反町は「容姿」「声」「イメージ」全ての面で、一番「らしい」信長だったと思っています。
「信長燃ゆ」でヒガシがどんな信長公を演じるのか、楽しみにしています。特に、これまであまり描かれることがなかった「恋愛」の部分、勧修寺晴子とどのような関係で描かれているのか興味深い見どころとなるでしょう。
因みに信長には20人もの子供がいましたが、全部側室に産ませた子で、正室の濃姫との間には子供をもうけておりません。そのような事から、「本能寺の変」に何らかの形で濃姫が関わったという陰謀説もあるくらいです。そして、この信長と濃姫の縁談は信長の父、信秀が政略結婚として斉藤道三に持ちかけた話だったことも忘れてはならないでしょう。
明智光秀のキャストに石丸幹二 役どころと見どころ
俳優で歌手の石丸幹二は、劇団四季で活躍していました。平成19年に退団しましたが、その後も精力的に舞台以外でもテレビや映画で幅広く活動しています。
舞台生活が長かったせいで、茶の間の視聴者には馴染が薄い俳優さんかも知れませんが、これまでの経歴には申し分がなく、磨きがかかった「明智光秀」を演じてくれると思います。
見どころは、光秀が武士でありながら、朝廷にも気に入られ、信長と朝廷の橋渡しを務める様子でしょう。そのような功績も認められ、長年信長の家臣だった羽柴秀吉や柴田勝家、前田利家などよりも早く築城を授かり城主となって出世した光秀です。
これまでの通説では、「本能寺の変」は明智光秀による「恨み」からの織田信長暗殺単独説でしたが、近年では、この説は影を潜めつつあります。
むしろ、この原作にあるように「朝廷による陰謀」とする説が人気を博していますが、真実が暴かれる日が来るのでしょうか?
織田信忠のキャストに早乙女太一 役どころと見どころ
織田信忠には兄がいたようです。信正といい、幼少の頃亡くなっていたので、次男であった信忠は長男として人生を始めたのです。
織田信長があまりにも有名過ぎて、信長一家の長男でありながら、かなりの武功を立てながら、知名度は決して高くはありません。むしろ、生き残った弟の信雄の名前の方が知名度は高いと言えるでしょう。
「本能寺の変」の時、信忠はどうしていたのでしょう?
実は信忠も羽柴秀吉の援軍に行くべく、信長同様京都に滞在しており妙覚寺という寺で、光秀の謀反を知らされるのです。しかし、信長の元へ援軍として参上するのですが、「時すでに遅し」と知るや、軍勢を引き連れ、誠仁親王の居る二条新御所に取って返し、誠仁親王を逃します。
そして、残った少ない兵士と籠城して戦うのですが、善戦虚しく明智軍に滅ぼされ、「もはやこれまで」と自刃するのです。信忠の最後です。まだ26歳の若さでした。
さて、この織田信忠のキャストに抜擢されたのが、若手俳優の早乙女太一です。聞いたことがないかも知れませんが、劇団朱雀という演劇団に所属している24歳の俳優です。年齢からしても信忠の年齢で、容姿端麗、中々のイケメンです。
早乙女太一の両親はどちらも役者で、子供の頃から役者として育ち4歳で舞台を踏んでいるのでしょう。そして、北野武、そうです、あのビートたけしの目に留まり、たけしの作品「座頭市」でスクリーンにもデビューしました。
女形も演じることの多い早乙女はその美貌でも大人気を得ています。両親の劇団朱雀に籍を置きましたが、劇団は残念ながら今年2月に解散となりました。現在はLDHという事務所所属です。
早乙女は数々のドラマにも出演しており、時代劇に拘らず現代劇にも抜擢されて活躍しています。どんな信忠を演じてくれるのか、若手でありながら実力派の早乙女太一が視聴者の注目を集めるのは必至でしょう。
羽柴秀吉のキャストに北村有起哉 役どころと見どころ
通称「猿」と言えば、後の太閤秀吉ですが、やはり猿の一番人気の時期としては、木下藤吉郎時代から羽柴秀吉時代なのではないでしょうか。
その「猿」のキャストに選ばれたのが、最近放映された「赤めだか」で立川談々を演じた北村有起哉です。見た感じでは十分に「猿」のイメージづくりはできています。
さて、この原作にある「朝廷陰謀説」の他にも、「本能寺の変」には諸説あって、その中にこの羽柴秀吉の陰謀説というのもあるのです。
ここでは、詳しく述べることは控えますが、歴史に残る「秀吉の中国大返し」の余りの手際良さが、何等かの形で事前に「変」を知っていたとされるからです。
随所に秀吉らしさが見て取れ、この説の信憑性を支持する元となっていることは確かです。その辺の事情についてはこちらをご参照ください。
お市の方のキャストに高岡早紀 役どころと見どころ
お市の方と言えば、歴史ファンならすぐに信長の妹だと知っているでしょう。ところが、余り認識されていないのは、兄である信長とは13歳の年の差があり、父が信長の父でもある織田信秀だという言い伝えがあるというだけで、本当のところはよく解かっていないのです。
ですから「信長燃ゆ」で、どんな形で関わってくるのかも分かりません。お市の方については、歴史的事実として、近江の大名の浅井長政と(政略)結婚して、長政亡き後に信長の家臣であった柴田勝家と再婚したことでしょう。
お市の方の存在が重要視されるのは、一つはお市がもうけた子供にあると言っても良いのではないでしょうか。秀吉の側室となった茶々(後の淀君)、徳川秀忠の継室となった江など、そして孫には、茶々が産んだ豊臣秀頼、千姫、徳川家光など、ともう何が何だか分からないくらいの姻戚関係があるのです。
ドラマでは最重要な役どころではないとしても、兄の信長に対して、どんな態度で接することになるのでしょうか?ベテラン女優の高岡早紀の円熟の演技が楽しみです。
森蘭丸のキャストに中島裕翔 役どころと見どころ
「本能寺の変」で信長の最後のシーンと言うと必ず出てくるのが森蘭丸です。キャストには中島裕翔が抜擢され、早くも話題となっています。
森蘭丸は清和源氏の血を引く家系に生まれ、父可成は美濃国を治めていた土岐氏の家来でした。可成には多くの子供がおり、蘭丸もその一人でした。弟にはこのドラマで登場する坊丸が居ますが、これまで坊丸という存在は余り注目されたことはありません。
森蘭丸は正式には森成利と言いますが、信長の近習として名が知られており、本能寺に於いて襲撃を受けた信長の最後を見取り、主君と共に生涯を終えるので、「本能寺の変」と言えば必ず出番がある人物です。
しかし、蘭丸が最後まで信長の近くにいたのは、蘭丸がただの近習ではなく、かなり実力のある秘書的存在であったことが言われています。本能寺に於いての最後の姿は、その説が余りにも多く、どの説も確証的な物が存在しないことから、小説家がいろんな推測をして描くことになります。
享年18歳という年齢で殉死した森蘭丸を演じる中島裕翔はジャニ事務所の「Hey!Say!JUNP」のメンバーで、若いファンの注目の的となっています。
森坊丸のキャストに神山智洋 役どころと見どころ
そして、同じくジャニ事務所所属の神山智洋が、森蘭丸の弟の坊丸を演じることになりました。蘭丸とは一つ違いで17歳で殉死したとされる森坊丸については、若いせいもあり、それほどの記録は残っておりません。
通常、蘭丸に代表されてしまい、坊丸という名前も聞いたことがある人は少ないのではないでしょうか。蘭丸同様、若いファンの方は神山智洋演じる坊丸が楽しみとなることでしょう。
新春時代劇「信長燃ゆ」の放送は正月二日の午後9時から3時間、テレビ東京系での放映となります。お楽しみに!
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。良いお年をお迎えください。ハッピー・ニュー・イヤー!
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