砂の塔2話の感想 サスペンスの恐怖感の演出が素晴らしい

砂の塔~知りすぎた隣人

砂の塔2話感想は、サスペンスの醍醐味である演出の素晴らしさです。菅野美穂を始めとするキャストも豪華ですが、サスペンスドラマの肝を押さえた演出が光っていると思います。子供誘拐という事件がテーマにある一方で、犯人と思しき佐々木弓子(松嶋菜々子)は初回から登場しています。そして、ヒロイン高野亜紀のすぐ真上の上階に住みながら、自室で管理モニターに見入る佐々木弓子に恐怖感を覚える視聴者が続出しています。あー、怖っ!

 

砂の塔2話の感想1 見事なサスペンスの演出

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ドラマ「砂の塔」では、あの松嶋菜々子が、ヒールで登場するなど、度肝を抜かれるキャスティングですが、その松嶋菜々子が演じる佐々木弓子の演技と脚本、そして演出が憎いくらいに決まっています。

物静かにしゃべる松嶋菜々子のセリフ回し自体も、動きが少なく、話し方だけで怖くなりますが、そのような演出サスペンスという要素を際立たせていますね。

幼児誘拐事件というテーマでありながら、それを刑事事件ドラマにしないだけでなく、サスペンスにしているところが味噌という感想を持っています。

昨今のドラマのテーマが「恋愛」や「刑事もの」などに偏り過ぎてしまい、ジャンル的には退屈する向きもあると思います。

 

そこへいくと、本作「砂の塔~知りすぎた隣人」のような本格的なサスペンスドラマは(個人的には)久しぶりです。

佐々木弓子が、CCTVを利用して、自室で管理モニターを見入るシーンに恐怖感を覚えるのは、私だけではないでしょう。

ネズミ捕りの中に入れられたネズミがそうであるように、「管理社会」に住む我々にとって、知らずのうちに、多大なストレスの中に生きている現代人。そのような背景もあり、管理社会の怖さは薄々気付いているのではないでしょうか。

 

砂の塔2話の感想2 様々な恐怖感の演出

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それから、ストレスということで言えば、ママ友会によるストレスもサスペンスの要素を孕んでいるといえると思います。

管理人はかつて、事業所を市街地を外れた村に越したことがあるのですが、挨拶に伺った村の実力者のところで、「次の村内会の会長をやりたまえ」と言われ、ぞっとしたことがあります。右も左も分からない者にわざと会長などをやらせて、困らせようという魂胆が見え見えだったからです。

村ですから、ほとんどが長年在住の住民たちです。すでに、お互いは知り尽くしている間柄。その中に何も知らない人間が入って、責任ある立場など取れるものではありません。

 

砂の塔のママ友の集まりを見ていると、どうもこの村社会の「掟」だの「仕来たり」だのを連想してしまいます。これは紛れもない「パワハラ」と一緒で、プレッシャーにも、いじめにも通じるものです。

この「ママ友の集会」のテーマも幼児誘拐事件とは別にサスペンスの要素となっているという感想を持っています。無理難題を押し付けるようなところは、「嫁姑」の関係にも似た精神構造を思い出してしまいます。

このように見ていくと、「砂の塔」が只の幼児誘拐事件を扱ったサスペンスというより、ドラマの設定全てがサスペンスの要素を持つ、よく計算された見事な演出のドラマと言えると思います。

 

得体の知れない重圧は、佐々木弓子の密かな監視だけでなく、ママ友会の柵の重圧や、旦那の高野健一の会社での上司からの重圧など、さまざまな要素がサスペンスを際立たせているドラマだと思いながら観賞しています。見終わると疲れがどっと出ます。(笑)

 

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

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