立川談春が自身の半生記を描いた「赤めだか」がドラマ化され、豪華キャストで年末に放送されます。前回の立川一門のキャスト紹介にに続いて、今回は談志・談春を取り囲む脇役の豪華キャストを紹介しましょう。
立川談春のバイト先の築地市場のキャストの妙
談春が風邪をこじらせてしまい、せっかくの師匠の直接稽古付けを断ったことで、談志師匠の怒りを買い、それ以後、稽古は付けてもらえなくなってしまいます。その後、「どうしても稽古をつけて欲しいなら、築地で1年バイトをやってこい」と言われてしまった談春は迷えるはずもなく、言われるまま築地でのバイトに出掛けます。
ドラマでは、そのバイト先の築地の魚河岸の店員として、あの「下町ロケット」で大活躍した今野浩喜がキャストに選ばれました。そして、もう一人、魚問屋の店主として、管理人の大好きな噺家、柳家喬太郎が出ることになりました。
今野浩喜と言えば、お笑いファンには「キングオブコメディ」として名が通っているでしょうが、普段あまりテレビを見ない年配の方には「下町の迫田滋」と言った方が今では分かり易いくらい、下町の活躍が見事だった今野浩喜です。
特に、終盤でも、「佃利菜の彼氏」を論じるシーンや、ジャーナリストの咲間倫子と交わす会話などで、「オイシイシーン」をもらった今野の演技には管理人は感心しました。この演技で確実に俳優としての力量を示すことができたと思います。
一方で、私の大好きな喬太郎兄さんですが、若手落語家では(実際は若手ではありませんが)めっちゃ個性的で自分の味をしっかり持っている噺家です。
常々、落語と言えば「六代目三遊亭圓生」と上方落語の雄「桂米朝」を愛する管理人は、他の落語家をあまり聞きません。聞いても、古今亭志ん朝などの古典です。関西の落語家では文珍が好きですね。
最近のテレビ露出度と芸人の貧困さが嫌で、あまり気にも止めていなかった若手の噺家ですが、「喬太郎」「談春」「小朝」あたりの語り口が好きです。
築地魚河岸で出演してくる今野浩喜と喬太郎の二人には非常に高い関心を持っています。
立川談志師匠の人間関係で脇役が面白いのは
前述したお二方は立川談春がバイトに出た築地での縁によるものですが、一方で師匠の立川談志(キャストにビートたけし)関係でキャストになるのが歌手のさだまさしとリリー・フランキーです。
さだが演じるのは、談志が行きつけの寿司屋の親爺という役です。皆さんもお分かりのように、さだまさしと言えば、古くはフォークシンガーとしてグレープというフォークグループで一大センセーションを巻き起こし、次々とヒットソングを飛ばしたレジェンド的存在です。
さだまさしとお笑いの関係をこの「フォークシンガー」に求めるのが、管理人の見立てであります。さだは4000回とも言われる日本でのソロコンサートの記録があるようですが、ご存じのようにフォークコンサートというと、曲と曲の間のトークが特徴でもあります。さだまさしはこのトークが得意で、会場を沸かせるのが趣味とも言える男です。お笑いの下地をここに見出すことができるのです。
トリビアを一つご紹介しましょう。さだまさしが、グレープで活躍していた時です。ヒット曲「精霊流し」「無縁坂」がヒットし、続いて「縁切寺」も当たったグレープでしたが、ここまでのヒット曲で付いてしまった陰険で暗いイメージは中々払拭できませんでした。
自分たちの発信したいメッセージと受け取り側の視聴者の乖離が理由でグレープを解散することになるのですが、その解散コンサートの説明をさだはこう言います。「精霊流し」>「無縁坂」>「縁切寺」と来れば、後残っているのは墓場だけでしょう、と。管理人は思わずさだのユーモアに笑ってしまいました。
その一方、もう一人の異色キャストがリリー・フランキーです。役柄は立川談志と馬が合わない林修一という辛口評論家という設定になっています。味方も多かったですが、その歯に衣を着せぬ言い方で敵も多かった談志師匠ですが、辛口評論家は絶対に許さなかったでしょうね。
このリリー・フランキーというのも絶妙なキャストになるのでは、と期待している管理人です。何しろ、このリリー、今どき「マルチ・タレント」とか称して、小説やエッセイなどを書く物書きや、作詞、作曲、演出、構成など、一体どれが本業なのか分からないほど多彩な芸の持ち主なのです。そのリリーがビートたけし演じる立川談志とどのように絡んでいくのか、興味深いですね。もしかしたら、劇中で取っ組み合いの喧嘩なんかになると面白いと思います。
ドラマ「赤めだか」は年末12月28日の午後9時からです。是非、お楽しみに、お見逃しなく!今年の「笑い納め」に最高のドラマとなるでしょう。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。それでは、良いお年をお迎えください。ハッピー・ニューイヤー!!
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