ドラマ「下町ロケット」で佃製作所の顧問弁護士のキャストを務めた俳優の阿藤快さんが、お亡くなりになりました。阿藤快さんの追悼の意を込め、ここに阿藤さんのご冥福をお祈りします。
69歳の阿藤快さんは中村敦夫や原田芳雄の勧誘を受け、俳優座に入籍し、最初の頃はオファーされるキャストに悪役が多かったと言います。そう言えば、「下町ロケット」で、特許侵害訴訟を起こされて、対応しきれずに、顧問弁護士を解約されるシーンでは、やはり「悪役」の顔が出ていましたね。中々渋い役者さんでした。
名キャストだった阿藤快の田辺弁護士のタジタジシーン
父親の代から佃製作所の顧問弁護士を務めていた田辺弁護士はライバル企業のナカシマ工業からの特許侵害訴訟の担当になります。
しかし、弁護士とはいえども、大企業相手の、しかも特許侵害という特殊な裁判です。佃製作所が用意した資料もろくに理解できない田辺弁護士は第一回口頭弁論で、相手の中川京一弁護士(ピーター)の尋問にタジタジになってしまいます。
低姿勢で「次回、お答えします」の連発は、不用意な発言をしてはいけないという田辺弁護士の方便ですが、どこから見ても劣勢な印象を与えてしまいます。失言をしないという答弁は、答えていないのと等しい訳ですから、十分な資料を作成した佃製作所を落胆させることになりました。
阿藤快さんの「オタオタ」する姿は実に渋い演技だったと思います。
下町ロケットで阿藤快が顧問を解約される田辺弁護士のキャストを熱演
口頭弁論での田辺弁護士に応対に対し、田辺の力の限界を悟った佃製作所の佃航平社長を始め経理部長の殿山(立川談春)、そして技術開発部の山崎(安田顕)も同様、弁護士の変更を示唆するシーンです。
ホテルのロビーカフェで、対策を協議するシーンは、結構、いろんなホテルで見かけますよね。。「知的所有権」の弁護は荷が重すぎないか問われる田辺弁護士は「いままで父親のよしみ」で引き受けてきた顧問弁護を解雇するのかと、怒りが爆発します。阿藤さんが、立ち上がって息巻く姿は、真に迫る演技でリアルさが出ていました。
続けて、田辺弁護士は、立ったまま、「恩を仇で返すのですか」「後で泣きついても、もう遅いからね」と叫ぶシーンは迫力に満ちていました。
弁護士さんにも、得意分野がいろいろあるのでしょうが、やはりこの「知的所有権」という特異なフィールドがこの弁護シーンのテーマでしたね。
この「下町ロケット」の前半部分のメインテーマと言ってもよい、法廷での争いに阿藤快さんがキャストを演じた佃製作所の田辺弁護士も解雇されるまでは名場面で登場しました。
急にお亡くなりになった阿藤快さんの追悼の意を表すると共に、阿藤さんを偲びながら、名作「下町ロケット」の田辺弁護士の名場面を振り返りました。合掌。
最後までお読みいただき本当にありがとうございます。
コメント