「下町ロケット」の5話が、今晩で完結しますね。後半に入る前に、ちょっぴり振り返っておきましょう。今日の名場面は、社長と佃製作所社員全員を裏切った真野賢作です。キャストには山崎育三郎さんが抜擢されました。
なんでも山崎育三郎さんはミュージカルのスターのようですが、「裏切者ユダ」を見事に演じていましたね。その真野賢作の裏切りはただの「裏切り」ではなかったのです。そして、裏切りがばれた後の佃航平社長のとった態度にも、「心」がテーマだったと思います。
真野賢作の二度の裏切り
高森電工の引き抜きの面接を受けていた真野賢作
帝国重工への部品供給で揺れていた佃製作所にあって、反対グループがありました。営業の江原、経理の迫田、そして技術の真野賢作です。その江原が真野に聞くシーンがあります。
「お前、技術部なのに、何故反対する?」
問われた真野は、水素エンジンの部品などを作ってどんな意味がある、と答えるのです。そう、真野は技術者として自分のやりたい小型エンジンというテーマがあり、それが滞ると不安でもあり心配していたのです。
そんな中、ストーリーでは、同業の高森電工から、技術者の引き抜きが起こります。この面接に応じる真野賢作は、この時点で佃製作所を裏切ったことになります。
山崎さんの演技、まさに「真野賢作」になりきっていましたね。少しボサボサにした髪に少し伏し目が超リアルでした。まさに「裏切者ユダ」でした。
不良部品を製品検査に仕組んだのがばれたシーン
どうしても納得できない真野賢作でしたが、仲間だと思っていた反対派の江原、迫田の変身に苛立ちます。そして、自分が裏切られた思いが爆発します。それが、製品テストに不良部品を忍ばせることでした。
案の定、製品テストは失敗し、佃製作所では大混乱。集合した社員たちが、喧々諤々、原因探しや対応策を協議している中、若手技術者が真野に何か知っていないかと尋ねます。
知らぬふりを決め込んでいた真野でしたが、不良品を忍ばせた若手技術者が耐えきれずに白状してしまったのです。
それまでの感情を抑えきれなくなった真野賢作は取り乱したように自己弁護を始めました。
真野賢作の名場面でしたね。「後で話そう」という佃社長は、その後、解雇された真野の再就職先まで心配していたのです。
そして、それは「間違いは間違い」として処分はしましたが、若い真野賢作の研究開発に対する熱意と才能を大事にしようとする「研究者として相通じる心」がさせたものだったのでしょう。
そして、この佃社長の心を真野が知るのは、この先、後半の「ガウディ計画」で明らかになります。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
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